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現場訪問

第15回:社会福祉法人 椎の木福祉会 特別養護老人ホーム 第二瑞光の里

訪問月:2014年4月

  • 〒475-0914
  • 愛知県半田市土井山町2-105
  • TEL 0569-26-5510
  • 入所 90床
  • ショートステイ 10床
  • 平成16年4月 開設

ホームページ第二瑞光の里

管理栄養士 早川様、事務主任 森川様

栄養士

今回は管理栄養士の早川様と事務主任の森川様にお話を伺いました。

厨房スタッフ

管理栄養士3名 調理師1名 調理補助5名

導入製品

ゼリー食用調整食品

ゼリーの匠ネオ

少ない使用量で、飲み物やミキサー食を手軽にゼリー状に。 60℃まで温めても形がくずれず、温かいゼリー食が提供できます。酵素配合でリニューアル。

嚥下障害食の取り組み 〜入居者のニーズを満たす嚥下障害食〜

「信頼」・「安心」・「連携」をキーワードに地域と高齢者の問題解決を図る施設運営

現在、愛知県半田市にある特別養護老人ホームは、当法人が運営している2施設のみのため、地域の高齢者の最後の拠り所として「この地域の高齢者の問題は当法人が解決する!」という想いで施設を運営しています。入居者様に「良い人生だった」、そのご家族に「ここに任せて良かった」と思っていただける家庭的で暖かい施設を目指しています。

開設から現在までの入居者様に提供する食事形態の移り変わり教えてください。

開設年の平成16年は、少人数(10名以下)グループをひとつの生活単位としたユニットケアが始まったばかりで、当施設はユニットケアの先駆けだったと思います。当初は入居者様の介護度が低く、食事形態は常食のみで、常食では食材が大きすぎる場合は介護スタッフがユニット内で刻む等の対応をしていました。また、家庭に近い雰囲気を目指し、介護スタッフや厨房スタッフ、事務員なども入居者様と一緒に和気あいあいと食事を摂り、動ける入居者様には食器の洗浄等も手伝っていただいていました。
しかし、時代は変わり、特別養護老人ホームの役割は介護度が高い高齢者のお世話になりました。それに伴い、大半の入居者様の食事を刻む必要性が出てきました。ユニット内で対応するのは限界となり、厨房できざみ食や特きざみ食などの対応をするようになりました。そうすることで、介護スタッフは今まで食事を刻むことにあてていた時間を入居者様と接する時間にあてることができ、触れ合う時間を増やすことができました。

現在の食事形態の種類を教えてください。

当施設が現在提供している食事形態の種類は、常食、きざみ食、特きざみ食とソフト食(ゼリー食)の4種類があります。通常、常食以外につけるみそ汁は、具を細かく刻んだもので対応していますが、それではむせてしまう入居者様には具ごとミキサーにかけたミキサー食を提供しています。ソフト食をお召し上がりの入居者様の中には大きい具のみそ汁を飲める方もいらっしゃいますので、どの形態のみそ汁を提供するかは入居者様の状態を一番把握している介護スタッフに選択を任せています。

入居者様が安全に食べられるソフト食導入までの歩み

より一層安全な食事の提供を目指しきざみ食や特きざみ食だけでなく、ソフト食を導入しました。設備面の課題や人員配置など苦難もありましたが、ソフト食を導入したことにより、入居者様には食事をほぼ完食していただけています。これからも、喜んで食べていただける食事を作っていきたいです。

ソフト食を始めるにあたって、どのような具体的な取り組みをされましたか?

まず、厨房スタッフだけでなく事務職、看護職や介護職など他職種が話し合える場として「ソフト食プロジェクト(以下プロジェクト)」を立ち上げました。そして、プロジェクトメンバーでソフト食に取り組んでいる施設を見学し、様々なメーカーから合計十数種類のゲル化剤を取り寄せて試作を始めました。試作のソフト食は、プロジェクトメンバーで試食したり、その他のスタッフにお昼の時間に試食してもらいました。そうして完成したソフト食は、平成23年11月より週2回の提供から始まり、翌年2月からは毎日提供しています。
また、開設当初の食事形態は常食のみということもあり、調理および盛りつけ作業は1名で行っていましたが、ソフト食の導入と同時にきざみ食・特きざみ食も導入することになったため、作業工程や職員配置を見直し、調理スタッフを増員しました。

十数種類のゲル化剤から「ゼリーの匠ネオ」を選んでいただいた理由を教えてください。

様々なゲル化剤をプロジェクトメンバーで検証し、たどり着いたのが「ゼリーの匠ネオ」です。
商品によっては薬っぽい味を感じるものや、粘り気・のどに張り付く感じがするものがありましたが、「ゼリーの匠ネオ」は口当たりがさらっとしていて、素材の味をストレートに感じることができ、特に野菜をおいしく食べられると感じました。また、「ゼリーの匠ネオ」はほとんどの食材に対して1%の添加濃度で調理ができることも気に入った点です。食材により添加濃度が違うと、栄養士や調理師は対応できても調理補助のスタッフには扱いにくいため、同じ濃度でゼリーに仕上がる「ゼリーの匠ネオ」は調理作業が複雑にならず、とても使い勝手が良いと判断しました。

ソフト食の具体的な作り方を教えてください。

ソフト食の調理開始時間は、食事提供の約2時間前です。昼食の場合、10時頃に開始します。

  1. 工程1

    食材がひたひたになる程度のお出汁を入れ、総重量を計量します。総重量の1%の「ゼリーの匠ネオ」を計量します。
  2. 工程2

    食材と「ゼリーの匠ネオ」をブリクサー(ロボ・クープ社)に入れ、攪拌します。
  3. 工程3

    鍋に移し加熱します。
  4. 工程4

    ラップを敷いたトレイなどに食材を流し入れ、冷やし固めます。夏以外は、常温でも十分に固まります。ただし、肉など厚みを出したい食材は、冷蔵庫で冷やし固めます。
  5. 工程5

    固まったら、カットし、盛り付けます。
  6. 完成

ソフト食を始めるにあたって、難しかった点はありますか?

ソフト食導入のために見学に伺った初めの施設では、人員が揃い、ソフト食専用の冷蔵庫があるなど設備がとても充実していました。当施設ではそこまで設備にコストをかけることが難しく、何とかならないかと悩んでいました。しかし、そんなときに、サラヤの栄養士ウェブのソフト食の取材記事を拝見しました。紹介されていた施設に見学させてもらったところ、今の設備・道具でもソフト食の導入が可能であることが分かり、さらに試作を重ね、軌道に乗せることができました。ソフト食の導入にあたり購入したものはブリクサーのみで、設備にコストをかけなくても、工夫次第で何とか導入することができました。

行事食のソフト食対応はどうされていますか?

季節を感じていただきたいので、お正月やお雛様など暦に合わせて行事食を提供しています。ソフト食は、常食の献立をソフト食に展開しています。たとえば、お雛様のちらし寿司の場合、ソフト食はちらし寿司の具材を雑炊にするなどし、今年のお正月は、小豆粥、お刺身、お煮しめ、黒豆、伊達巻きなどのお祝い膳を提供しました。

行事食 お祝い膳(お正月)

取材させていただいた感想

今回は無理を聞いていただいて、午前中の忙しい時間帯に訪問させていただきました。実際の調理時間帯に厨房内の調理作業を見学させていただいたのは初めてで、'きざみ食の大きさを統一するため大きな写真を厨房に貼る'や'そばゼリーは三つ折にして切る'など現場ならではの工夫をたくさん学ばせていただきました。

取材当日は麺類という忙しい献立にもかかわらず、早川様や調理師を初めとする厨房スタッフの方々の連係プレーで、慌てることなく見事な調理作業をされていました。ソフト食導入にあたり、厨房スタッフ間でトラブルがあったとお聞き致しましたが、そのような雰囲気は微塵も感じられませんでした。トラブルをどのように乗り越えられたのかは伺っておりませんが、早川様の笑顔と入居者様に対する想いできっとトラブルを解決されたのだと思います。
早川様、森川様、厨房スタッフの皆様、お忙しい中ご協力いただきありがとうございました。

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